M.I.2012  〈8〉 ~冷戦の巻


(前回のあらすじ)
7月は昨年比23%の節電を達成したによだったが、昨年8月の電力消費は112kwと、更に厳しい戦いを強いられていた。果たしてによはQUOカードを手に入れる事ができるのだろうか!?


不可能とも思える8月の節電ですが、私には秘策がありました。
旅行です!

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3日間も自宅を留守にすれば、電力消費は大きく削減されるはす゛、と期待したのですが....。
帰宅してメーターを見ると、何故か留守中にも1日あたり2~3kwの電気が消費されているではありませんか。
そして帰宅した後も毎日順調にメーターは回り続けました…。

一体誰が私の電気を盗んでいるのでしょう?!

それを知るために、私は更に細かく電気メーターの動きを観察する事にしました。

  予想通り、最も電力を消費するのは調理をしている時で、一時間あたり300wくらいメーターが回っていました。ところが、それ以外の時間帯でも、何もしていないのに一時間に100w近い電気が消費されているという事が判明したのです。やはり最も電気を食っているのは冷蔵庫のようです。留守中にもメーターが回り続けた訳がわかりました。

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 冷蔵庫の設定は昨年から「弱」のまま。しかも中はスカスカで、昼間は飲み物をクーラーボックスに入れて開閉は最小限。更に水冷装置を設置して効率は極限まで高めているはずなのに、何故昨年より電気を食っているのでしょう?
 このままでは削減どころか、昨年の消費量をかるく超えてしまいます。Yahoo!トップに現れる関西電力の「電気予報」はどんなに暑くても需給率90%を超える事はありませんが、我が家では既にレッドゾーンです。

個人的需給逼迫を受けて、ついに私はある一線を超える決断を下しました。
もはやこの戦いはエコ活動でもなければ、健康増進のためのスポーツなどと言う生易しいものではありません。

競技です。

競技で勝つには敵に出来ない事をしなければなりません。。
関西電力に出来ない事をやってやろうではありませんか。

計画停電です。

 思えば、旅行中も出来ればブレーカーを落としたかったのに、数切れのサバの切り身惜しさに冷蔵庫を運転し続けたのも敗因の一つでした。 
 幸い、旅行で美食の限りを尽くしてきたので、当分は粗食でも大丈夫です。サバはふりかけに加工し、冷凍庫を空にして、氷専用にしました。
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気温の低い夜の間に氷を作り、朝食が終わったら冷蔵室の上段に移して、コンセントを抜きます。

何も特別な事ではありません。平成18年製の冷凍冷蔵庫が、昼間だけ昭和レトロな氷冷蔵庫と化すだけの事です。

計画停電を実施した所、やっと1日あたりの消費電力は3kw台に落ちました。心配な庫内温度は、午後5時の通電前でも13℃と、さして高くなりません。それよりも、冷蔵庫の稼働音による精神的プレッシャーから解放され、仕事にも集中できる上に、台所が放熱で暑くならないのも嬉しい事です。

そして運命の検針日。
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かろうじて昨年の数値をオーバーする事は免れましたが、7月とは大違いの惨憺たる成績です。

「によは何故負けたのだ!?」
猛暑だからさ
涼しそうにグラスを傾けながらニヒルに笑うシャア少佐の声が聞こえたような気がします。

思えば、8月分のカウントが始まる7月19日までは、梅雨のジメジメで不快指数は高かったものの気温は低めでした。しかし梅雨明け以来、ほぼ毎日ぶっ通しで猛暑日が続いています。昨年の8月と比べても厳しい暑さとなっています。冷蔵庫がフル回転したのもやむを得ないのかも知れません。

その証拠に、消費電力が増えた割には「節約ランキング」は先月の31位から33位と、あまり大きくランクダウンしていません。
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そして、7月を含んだトータルの節電率は13%と、まだまだ勝ち目はありそうです。
 
「負けを知って私は強くなった」
と、あるメダリストが言っていました。

そして、ウルトラマンダイナもこう呼びかけています。
「限界を超えたときにこそ見えてくるものがある。本当の戦いはこれからだぜ!」
 
いよいよ最終決戦。9月の目標は98kwです。
 
 
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M.I.2012〈7〉~熱闘の巻

 

あまり見る事のなかったロンドン五輪でしたが、日本選手団は史上最多のメダルを獲得し、大きな事故もなく、盛会に終わったようです。

しかし我が家と関西電力の勝負はまだまだこれから。ついに猛暑の8月に突入です。

夏の節電は暑さとの戦いでもあります。
エアコンの無い我が家でも、室内温度が上がると冷蔵庫の効率が落ち、即消費電力の増加に繋がります。人類の為のみならず、室内を少しでも涼しく保つ事は節電になるのです。

特に、冷蔵庫のすぐ隣のガスコンロは問題です。料理をするたびに台所の気温が上がるのを何とか最小限に食い止めなければなりません。

そこで利用しているのがアルミのレンジパネルです。
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火にかけた鍋の周りをパネルで囲って換気扇を回せば、排気効率が格段に上がります。調理する人類にとっても、薄いアルミ一枚のおかげで、火のそばに居てもあまり暑くないのは大助かりなのです。

台所の窓から射し込む西日も大敵です。そこで午後になると窓にキャンプ用のマットを嵌め込んで日差しを遮っています。
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更に、このマットと網戸の間に水を入れたペットボトルを並べておけば、西日がマットに反射して、日没までの数時間で水は40℃くらいに温まります。これを料理に使えば加熱時間と換気扇の運転時間を短縮できるというわけです。

激しい日差しを無駄なく利用するため、ソーラーの配線を延長して台所や仕事場でも扇風機を使えるようにもしました。
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しかし、このように考えられる限りの対策をしていたにも関わらず、毎日のメーターは無情に上がり続けます。

昨年8月の電力消費量は112kwでした。今月も15%減を達成するには、95kw以内に収めないといけません。
それなのに、1日あたりの消費量が4kwを超える日が続いてしまったのです。

こんなに冷蔵庫をいたわっているのに。
 
換えられる限りの照明をLEDにしたのに。

扇風機の電源はほとんどソーラーで賄っているのに。

もうこれ以上削れる所は無いのです。
暗澹とした表情の私を見て小人類が気休めを言いました。
「でも、うちはエアコンも無いから余所の家よりずっと電気代は少ないやんか。」

…違う。違うのだ!

北島康介選手は銀メダルでも良いと思って泳いだでしょうか?
そう、「金」でなければならない、少なくともそれを目指さなければならないのです。
うちの小人類達のように、週に一度プールに通って25メートル泳げるようになったと喜ぶ程度の水泳では駄目なのです。

やるからには、前人未踏の3連覇を目指すべきではないでしょうか。
しかし、そんな北島選手でも残念ながら3連覇は成りませんでした。トップレベルのアスリートばかりが居並ぶ中、頂点に立つのは並大抵の事ではありません。

やはり、スポーツを極めるには血の滲むような努力が必要なように、節電を極めるには汗の滲むような暑さと戦わねばならないようです。

ところが、ここで私はまた更に大きな壁にぶつかってしまったのです。
 
(つづく)

夏休みの絵日記

7月29日
ヒメアリが家に入ってきました。
 
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7月30日
畳の上にもヒメアリがいっぱいいたので、ガムテープでつかまえました。
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ヒメアリはどこからやって来るのでしょう?よく見ると畳の隙間から出てきます。そこで畳を上げてみました。
 
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畳の下には「シミ」のご遺体が累々と横たわっていました。
ヒメアリはシミーのご遺体を食べに来ていたようです。
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部屋の畳を全部上げて掃除したのですっきりしました。
シミーの数は数えませんでした。
 
8月1日
アカヒレにエサをやろうとしたら、エサが粉々になっていました。
 
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よく見ると、小さな虫がいました。
もっとよく見ると、それは「トビムシ」でした。
 
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お天気が良かったので、エサを外に出してお日さまに当てると、トビーは干からびてしまいました。
トビーが居なくなったのでエサはそのままアカヒレに食べさせました。
トビーも一緒に食べたと思われます。
 
 
8月11日
虫達は元気ですが、人類の生存には適さない暑さなので私たちは元気ではありません。
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そのとき、わたしは良いことを思い出しました。
疲れたときはティータイムです。
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ハーブティーにスズメバチの出汁入り蜂蜜をちょっとだけ入れて飲んでみました。
 
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とてもおいしくて、元気がでました。また飲みたいです。
 
ビールもおいしかったです。
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また飲みたいです。
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あそびをせむとやうまれけむ

「人は、生きてきたように死んでゆく」
 元看護師の知人がいつかそんな事を言っていました。本当にその通りだと思います。一方、我が小人類の成長を見ていると、
「人は生まれたように生きる」
とも言えるのではないかと思える今日この頃です。
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 10年前の丁度今頃、我が家の下の小人類は人類としてこの世に現れました。
  
 のんびり者の姉と対照的に今でも少々せっかちな彼女は、どうやら生まれる前から気が短かったようです。
10年前、まだ8ヶ月で体重が1キロにも満たない胎人類が外へでようと悪あがきをしたために、私は切迫早産と言われて長期入院を余儀なくされてしまったのでした。

 当時その病院には超未熟児を受け入れる設備がなく、もし早すぎる誕生となりそうな場合には、「母体搬送」と称して国立病院に担ぎ込まれる手はずになっていました。その場合運ばれる主体は胎児であり、母体はあくまでそれを安全に運ぶための梱包材のような位置づけなのだな...とその時私は理解していました。
 
幸いそのような事態にはならず、小人類は散々周囲の大人を振り回したあげく、ちゃっかり予定日を一日過ぎて極めて健康に誕生し、以後10年間の人類生活を謳歌して今日に至っています。

本当にありがたいことです。

 あまりに有り難いのでそれにかこつけて、一度行ってみたいと思っていた明石海峡大橋を望むホテルのレストランで10周年を祝う事にしました。
 
 ここは「ウルトラマン40周年記念パーティー」が行われた場所でもあり、40周年記念映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」ではウルトラマンAこと北斗星児がこのレストランのシェフとして登場していたのでした。
 映画では小さなお客様がテーブルから落としそうになったグラスを、エースリングを付けた北斗星児が拾って「あぶなかったね」と格好良く登場するのですが、残念ながらうちのそそっかしい小人類がデザートの葡萄を落としても北斗は拾いに来てくれませんでした...。きっとお得なランチバイキングだったからなのでしょう。でもお料理は美味しかったので満足です。
 
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 さて、同じ夏生まれでも暑がりですぐバテてしまう小人類と違い、この昆虫達は暑ければ暑いほど元気で、毎日入れ替わり立ち替わり我が家の玄関先にやってきては、生ゴミコンポストの外袋に卵を産み付けてゆきます。
 私はこの卵を毎日採取してはケースで培養し、生ゴミ処理係として役に立つ大きさにまで育ててからコンポストに投入しています。毎年おなじみの「ウジコン」です。
 
 しかし最盛期ともなると袋にはおびただしい卵が産み付けられ、うっかり回収を怠ると袋の外側が卵の殻と、小さな赤ちゃんマゴットだらけになってしまいます。
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 ここで彼らが大量発生しても、コンポスト以外の場所には決して沸かないと私は知っているので全然嫌ではありません。しかし放置すると袋が卵の殻だらけになる上に、せっかく沸いたマゴットの大半が肝心の生ゴミにまで到達できずに干からびたり、アリに拉致されたり、美観も効率も良くありません。

また、せっせと卵と採取しても、どうしても何割かは袋にこびりついて取り残され、乾いて孵化できず、無駄になってしまいます。
何とかスマートに次世代を得る方法は無いものでしょうか?
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羽を広げて愉しげに産卵場所を物色している成虫を眺めながら、そんなことを考えていたところ...
閃きました!

「兎丸、博多を都の隣に持ってくるぞ!!」
清盛が大輪田泊を築いて宋の交易船を直接迎え入れようとしたように、積み荷を積んだ船を直接迎え入れれば良いのです。すなわち、「母体搬送」です。

 コンポストの周りに飛来するアメリカミズアブの成虫は、ほぼ間違いなく全てが受精卵を持った雌です。

 彼女らを、卵を産む前に「入院」させれば、100%無駄なく卵を回収でき、しかも安全に孵化させられるのではないでしょうか。
 アメリカミズアブの飛行能力は大変優れていて、通常はすばしこくてなかなか捕まえられないのですが、ここに来るお母さんアブ達は産卵場所を探すのに夢中なので、素手でも簡単に捕まえられます。
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そしていつも卵を回収している飼育ケースに「入院」してもらいます。
「分娩室」にはお母さん達の気分を盛り上げるために、コンポストの堆肥を少し入れておきます。アロマテラピーです。
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さらに、慎ましく恥ずかしがり屋さんの彼女らが落ち着けるように、少し暗くしてあげました。すると狙い通り、堆肥の隙間がお気に召した様で、おしりを突っ込んでいます。
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1時間もしないうちに、堆肥の陰に立派な卵が産み付けられていました。
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無事ご出産です。

  日本では通常の場合、産後一週間で退院しますが、アメリカの産院では3日程で退院させられてしまうとか。そのアメリカからやってきたアブはもっと早く、一時間で無事退院です。卵を産んでしまえばもう彼女に用は無いので、後は短い余生を存分に外で飛び回って過ごしてもらう事にしました。

 袋に産み付けられた卵を採取する場合、孵化までの卵の置き場所が悪いと干からびたり逆に湿ったりで孵化に失敗してしまう事もあります。しかしあらかじめ入院して産卵してもらえば、お母さんが病室内でちゃんと理想的なロケーションを選んで産み付けてくれるので、孵化の成功率も高いのではないでしょうか。
また一歩野望に近づいたような気がします。

 「産卵」を終えて早10年になる私ですが、もう用は無い...などと言われないよう、これからも人類としてしっかり生き、アブだけではなく小人類も真面目に育てなければ、と決意を新たにした次第です。
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HAPPY BIRTHDAY!

プロフィール

によ

Author:によ
yahoo!ブログから引っ越してきました。
アメリカミズアブは生ごみを効率よく分解する益虫です。虫たちと生ごみ処理を楽しむ日々を綴ります。
好きなものは合唱と特撮ヒーローとお酒。

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